さて。
前回紹介しましたポップアップへ向けた新作の量産工程真っ只中。
今回の新作の1つ、ジャケットの生産工程の一部をブログに載せてみたいと思います。
一部です。全部載せたらキリがないので笑
写真も撮ろう撮ろうと思っていても縫いに走っているとすぐ忘れる。
某記録の癖をつけていかなければ。
という事で、今回製作中のジャケットのお話しを。
今回のアイテムには一部に腕型二重巻環縫ミシンを使います。
さて、そもそも論ですが、服を作る上でミシン1つでは作れません。
作れないわけではないんですが、一般的な衣料品は様々なミシンが使われています。
代表的には本縫いミシン(一般的なミシン)やロックミシン(生地の端がほつれないようにかがるミシン)を使用しますね。
もちろん縫い始末や伏せ方により本縫いミシン1つで作れます。が、限られた縫製仕様しかできません。
量産性も悪いですからね。色々なミシンを駆使して製作するのが本来はベスト。
ですが、それも1台1台集めるのも一苦労。
ミシンの種類には
家庭用ミシン
職業用ミシン
工業用ミシン
と、大まかに3種類に分かれております。
これはまぁその名の通りで、スビードや縫力が違います。
工業用ミシンは最強、ですが、多様性はないです。
多様性のあるミシンはやはり家庭用ミシン。ですが、力は弱く、スピードも遅く量産性に劣る。
その中間にあるのが職業用ミシン。って感じですかね。
自分は何台もミシンを持ち合わせておりますが、上記の種類に加え数種類の特殊ミシンを使用することが多々あります。
その一つがこの、腕型二重巻環縫ミシン。
変な形ですよね。これにも理由が、、、、、、長くなるのでこの辺りで。
手前の金属アタッチメント(ラッパ、又はフォルダ)を取り付けて写真のように巻きながら縫製していきます。
今回の極厚生地のコードクロスでもザクザク縫います。さすが工業用。
ですがこちらのミシン。
非常に難しいです。
初めて触った時にはウソでしょ?と思うくらい難しい。
慣れるまで何度も何度も練習してようやく使えるようなミシン。
世の中の工場でもこのミシンを持っている工場は少なく、また使える人も少ない代物。
環縫いなので、裏から見るとチェーンステッチになっております。
チェーンステッチは伸び縮みに強い伸縮性のあるステッチ。
伸縮性のある部位に使用することが多いです。
運動量+丈夫な縫製を必要とされるワーク系のアイテムにこのミシンを使用する事が多いです。
お手元のデニムを見てみると一目瞭然。デニムには二重巻環縫いがよく使われております。
もちろん用途だけではなく、服のデザインにも使えるので、その辺はデザイナーの色が出ますね。
デザイン+パターン構成+機能性も考える上で、こういったミシンの特徴をしっかり理解する事が大事なのです。
こちらは前後繋ぎ合わせた袖パーツ。
平面ではなく身体に馴染む立体になる形をパターンで作り、こういった特殊ミシンでカタチにする。
まだまだまだまだまだまだ伝えたい事はあるのですが、
書ききれないので、その辺のお話しも含め気になる方はぜひ月末のポップアップに遊びに来てください!
色々とお話ししましょう!
当日オタノシミニ